第148回 2台のピアノの午後 エレジー・アルモニーク ~デュセック没後二百年によせて~

2013年01月25日 03:57

2012年9月15日(土) 開催!

第148回 2台のピアノの午後
「エレジー・アルモニーク ―デュセック没後二百年によせて―」

ELEGIE HARMONIQUE
2012 BICENTENARY OF JAN LADISLAV DUSSEK
   
近代ピアノ奏法の確立に大きな足跡を残した不世出のピアニスト、
J. L. デュセックが没したのは、今から二百年前のパリでのことです。
欧州全土をかけめぐり、酒色を好んだ彼の波瀾に富む生涯はまた、
かけがえのない友情にも恵まれ、あざやかな輝きに彩られています。
デュセックと友人たちは互いに触発し天賦の才に磨きをかけました。
   
プロイセン軍の総司令官ルイ・フェルディナント王子は、聡明果断、
たぐいまれな軍人でしたが、優れた音楽家でもありました。王子と
宮廷楽士デュセックとは、主従関係を超えた深い友情をはぐくみ、
従軍中にも親しく2台ピアノで共演するほどでした。デュセックは、
王子が戦場に若い命を散らせた瞬間にも立会っています。


ルイ・フェルディナント・フォン・プロイセン (1772-1806)
   
失意に沈みがちな晩年のデュセックを励ましたのは、ハープの名手
ナーデルマンです。デュセックは最後の力をふりしぼり、圧倒的名作
「3つのデュオ・コンセルタント」を書き上げてナーデルマンに献呈、
二人の共演で初演されました。ナーデルマンが友の墓前に捧げた
「レ・ルグレ」は、ナーデルマンの書いた最も哀切な音楽です。
  
  
演奏曲
  
ヤン・ラジスラフ・デュセック(ドゥシーク) [1760-1812]
  小二重奏曲 ハ長調
  
プロイセン王子 ルイ・フェルディナント [1772-1806]
  ピアノ四重奏曲 ヘ短調 作品6
  (アンドレアス・シュトライヒャー編曲 2台ピアノ版)
  
ヤン・ラジスラフ・デュセック(ドゥシーク)
  2台のピアノのためのソナタ ヘ長調 作品26
  
フランソワ=ジョゼフ・ナーデルマン [1781-1835]
  レ・ルグレ (追悼) 作品30
  ― ヤン・ラジスラフ・デュセックの霊前に ―